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此岸の取りこぼした宝箱を回収がてら、カロンの奴めを退治してやろうか。その帰りに、時の奇跡に立ち寄る事になる、アムリタ稼ぎはそれからにしようか。そう考えていた矢先の事である。
館にて、久方ぶりに仲間との会話を楽しんでいた。すると女の子が、台所から物音がどうのこうの言うではないか。ねずみ退治の事をすっかり失念していた私である。
おっとりがたなで地下室へ赴いてみると、にゃーにゃーが、さらに地下へと続く穴の前で毛を逆立てていた。彼はおよそ11日もの間、ずっとここで敵を威嚇し続けていたのだ。その苦闘ぶりは想像に有り余る。何が彼をそこまでさせるのか。
いや、私が悪かった。
スターティアラが発する頼りない光を頼りに、ねずみの大群を退け、大結晶石やら何やらを回収した。これで館内の未回収である宝箱の数がわかる――
そのとき、私の脳裏に雷光のごとく、ある記憶が蘇った。
七つ闇である。
2回攻撃。
単品では他の武器に見劣りするこの短剣を、唯一最大限に生かせるのが、この、葬儀屋であった。
この旅は、短期決戦が真髄である。七つ闇は、最も端的にそれを実行できる無二の武器であったはずではないか。
もっと早くに思い出しておれば。
セレブレイター。
バルログ。
イカ。
おお。
おおお。
それから程無くして、私は館の地下に空いた大穴の前にいた。虚空から、暑いとも冷たいともつかぬ風が吹き上げてくる。
彼女の鍵だ。それを取ってくればいい。それだけを取ってくればいい。
止めてくれるな、女の子よ。私は、行かねばならぬのだ。
私は暗闇へと身を躍らせた。この先に、失ったものを取り戻すための道がある。
こんな文体でもないと、ショックのあまり「あひゃらららら」とか叫びだしちゃいそうです。けひいいいい。